プレス・ブリーフィング(報告)

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実施日 : 2015年01月28日

報告(プレス・ブリーフィング):「2015年の日本経済とアベノミクス」(2015年1月28日)

投稿日 : 2015年01月29日

DSC01200FPCJでは、政策研究大学院大学の大田弘子教授をお招きし、主に政策面から2015年の日本経済とアベノミクスについてお話し頂きました。日本経済の動向に対する関心は引き続き高く、ブリーフィングにはカナダ、中国、ドイツ、香港、韓国、シンガポール、米国のメディアの記者15名、各国の大使館員23名を含む計44名が参加しました。

 

冒頭、大田教授は、日本経済の現状について、消費税率アップによる落ち込みから底を打ったと分析。その上で、2015年の日本経済に関して、アベノミクスのスタート以降、デフレ脱却はほぼ確実なものになり、経済環境はかなり変わったが、第1、第2の矢の効果があるうちに第3の「成長戦略」の矢を実行していく必要があると指摘しました。更に、日本経済の弱みは「グローバル化への取り組みの遅れ」、「(特に非製造業での)生産性の低さ」、「人材活用の不十分さ」であるとした上で、「第3の矢」の具体的課題として、1)TPPやFTA交渉の本格的加速、2)生産性向上やイノベーションの喚起、3)法人税率引き下げや電力市場改革を始めとする国内立地の魅力創出、4)成長分野への人材移動を可能にする労働市場改革の4つを提示。一昨年および昨年に発表された政府の成長戦略でこれらの課題への取り組みは徐々に進みつつあると説明しました。

 

今年の政策面での注目すべき課題としては、1)成長戦略の実現と一段の進展、2)賃金の着実な上昇、3)TPP、日EU・日中韓FTA交渉等の加速、4)財政再建計画の策定、5)エネルギー政策の今後の見通しの5つを指摘。1)に関しては、医療・介護・農業分野等のいわゆる「岩盤規制」の改革の重要性を強調し、政府が進めている農協改革にも触れた上で、今後の改革の進展を注意深く見守る必要があると述べました。更に、成長戦略の今後の課題に関して、「働き方」、「地方」、「生産性」の3つのキーワードを提示。「サービス産業の生産性が上がらなければ地方の経済は活性化せず、サービス産業の生産性が上がるということは成長企業/業種への人材移動が容易になり、多様な働き方が実現するということ」と、これらキーワードの関連性も説明しました。また、財政再建については、今年夏に政府が提出予定の「財政健全化計画」の重要性を指摘。併せて、社会保障制度改革の必要性にも言及しました。

 

最後に、大田教授は、「今、必要とされている政策は供給側を強くする改革。……法人税率引き下げも規制改革も雇用改革も景気刺激策ではなく、効果が出るまでに時間がかかるが、5年後、10年後を考えると不可欠」と指摘。「安倍政権が長期政権としてこうした点に踏み込むかどうか」、「効果が出るまで、国民・マスコミが危機感を共有して改革をサポートできるかどうか」が非常に難しい点だと述べてブリーフィングを締め括りました。質疑応答では、人口減少に伴う需要縮小が見込まれる中で産業の生産性向上を図る意義等に話題が及びました。

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