プレス・ブリーフィング(報告)

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実施日 : 2014年12月17日

報告(プレス・ブリーフィング):「衆議院選挙結果と国内政治見通し」(2014年12月17日)

投稿日 : 2014年12月18日

01212月14日に第47回衆議院議員選挙が行われたのを受け、FPCJでは朝日新聞社の星浩・特別編集委員をお招きし、選挙結果と中長期的な国内政治見通しについてお話し頂きました。ブリーフィングには、ブラジル、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、香港、韓国、英国、米国のメディアの記者17名、各国の大使館員32名を含む計51名が参加し、翌週に発足する予定の第三次安倍内閣と日本政治の今後に対する関心の高さが窺えました。

 

冒頭、星氏は、各党の獲得議席総数を整理しつつ、今回の選挙結果を総括。特に過去3回の衆院選での比例区での得票数の推移に注目し、自民党は安定的支持層を得ているが、必ずしも有権者の大半の支持を得ているとまでは言えないと述べました。民主党については、政権を失って以降、有権者の支持を取り戻せていないと指摘。維新の党(旧日本維新の会)については、前回選挙時より議席を減らしたが善戦したと評しました。共産党については、躍進したが、全体的に見れば議席数はまだ少ないとしました。

 

また、選挙が行われた背景に関して、元はと言えば、消費税率の10%への引き上げ決定が困難な景気状況の中、引き上げ延期法案を一月の通常国会に提出しても通らない可能性があると懸念した安倍首相が、引き上げの先送りに対する国民の支持を得ようと選挙に踏み切ったと説明。ところが、いざ蓋を開けてみると、引き上げ延期については他の政党も賛成であった為、「アベノミクスの是非」を争点としたとの見方を披露しました。投票結果に関しては、特にアベノミクスの恩恵を受けやすい都市部で、安倍氏の経済政策に引き続き期待するムードが濃かったと思われるなどと述べました。

 

今後の政治については、年内に行われる首相指名や、来年の通常国会、統一地方選(4月)、集団的自衛権行使容認に関する法案の国会提出(5~6月)、自民党総裁選(9月)等の政治日程を整理した上で、「鍵となるのは経済の動向」と指摘。アベノミクスの成功には成長戦略(構造改革)が重要であるが、自民党支持層の利害に反し、国民の痛みも伴うため、困難な道であると述べました。野党に関しては、民主党はまだ国民の信頼を回復できていないものの、海江田代表に代わるより力強いリーダーを迎えることは良い流れだと指摘。維新の党との協力もいずれ見られるようになれば、民主党に野党が集結し、二大政党制の復活も期待できると述べました。外交面では、日中関係に関して、特に経済面で両国に関係改善の動機があるなどと見通しました。

 

質疑応答では、参加記者から、戦後70周年の節目を迎える2015年の安倍首相の歴史認識問題への対応や、自民党が憲法改正のために維新の党と連携する可能性のほか、二大政党制復活や沖縄独立の可能性など多岐に渡る質問が寄せられました。

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