プレスツアー(案内)

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実施日 : 2014年09月04日 - 05日

案内:伊勢市プレスツアー「日本至高の聖地・神宮と伊勢の民」

投稿日 : 2014年08月14日

 内宮正宮1日本の皇室の祖先神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢神宮。昨年、20年に一度の一大イベントである「式年遷宮」(*)のクライマックスである遷御の儀を終えたばかりであるが、今も神宮では一日も欠かすことなく、五穀豊穣と国の繁栄を願い、自然の恵みに感謝を捧げる祭りが執り行われている。

 

 

2000年余り続く神宮の伝統や、神道の教えに基づく文化、ひいては日本古来の心・知恵・技は、神様のお膝元である「神領」に生きる伊勢の人々によって支えられ、受け継がれてきた。旧神領民とも呼ばれる伊勢市民は「神宮に奉仕する」ことを誇りにしており、かつては日本人の6人に1人が参拝に訪れたという憧れの聖地であって、昔と変わらず、参拝客を心からもてなす。

 

本プレスツアーでは、日本至高の聖地である伊勢神宮を訪問すると共に、禊の地・二見で行われる神事の一つ「大しめ縄張り替え」(写真右下)を取材する。また、神事に関わる人々、町おこしに取り組む人々、参拝客をもてなす人々、地元職人などへのインタビューを通じて、伊勢の人々が受け継いできた日本古来の心・知恵・技や、神領に生きる者としての心意気を探る

 

 御神楽~1??????????????????????????????????????????????????????????????

  

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*式年遷宮:20年に一度、社殿や御神宝などをすべて新調し、神様を新しい社殿にお遷しして、そのみずみずしい力の永遠を祈る。1300年もの間受け継がれてきた世界に類をみない一大神事である。 

 

※本プレスツアーは、伊勢市が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。

※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

※神宮関連の取材では、撮影制限があります。

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<取材内容>

1.    有識者によるブリーフィング

ブリーファー:岡田 登(おかだ・のぼる) 皇學館大学文学部教授

1952年生まれ。歴史学者、考古学者。専門は日本古代史、日本考古学、神宮史。1974年皇學館大学文学部卒業。同大学助手、専任講師、助教授を経て1998年より現職。現在は、日本国家の成立と密接な関係にある伊勢神宮の創祀(はじまり)に関する研究を行っている。昨年には、複数のメディアに登場、神宮や式年遷宮に関する解説を行った。

 

◎ツアーでは、キャロライン・ケネディ米駐日大使も4月に訪れた伊勢の老舗料理店「大喜」にて昼食後、皇學館大学岡田教授より、神道や神宮、式年遷宮、神宮と伊勢の人々との関わりなどについて基本的な説明を受ける。その後、神様にお供えするお食事「神撰」を解説つきで頂く。

 

 

2.伊勢神宮(神宮)

~自然との調和、自給自足を重んじる広大な神域~

 http://www.isejingu.or.jp/

伊勢神宮、天照大御神を祀る内宮(ないくう)と、食物を司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る外宮(げくう)の両正宮を中心とする125のお宮・お社から成る。ツアーでは、古くからの習わしに従い、外宮、内宮の順に訪問する。

 

1)外宮(豊受大神宮)・せんぐう館

 外宮に鎮座する食の神さま・豊受大御神は、日本人が主食とするお米をはじめ、衣食住全般、さらには、あらゆる産業の守護神として崇められている。外宮の神域では、1500年もの間変わらない方法で、火を起こし、水を汲み、朝夕2回、神さまの食事が調えられてきた。外宮の入り口にある「せんぐう館」は、昨年クライマックスを迎えた「第62回式年遷宮」を記念して創設された博物館。ご神宝の製作工程や外宮正殿の原寸模型が展示されており、「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」と呼ばれる建築様式など、古代から受け継がれてきた匠の技を真近に見ることができる(画像提供(左上):せんぐう館)。

 

07外宮正殿模型(小)阿形さん御神楽~1

 

 

◎ツアーでは、学芸員の案内によりせんぐう館を視察する。また、ボランティアで伊勢神宮のガイドを務めている阿形智恵子氏の案内で、外宮正宮を訪れるとともに、「神様に奉納する神事芸能」である御神楽を見学する(※御神楽の撮影は不可です)。

 

2)内宮(皇大神宮)・神宮神田

内宮正宮1天照大御神が祀られている内宮日本最古の史書「日本書紀」によれば、天照大御神の孫が地上に降りて天皇の祖先となったとされる。その際、天照大御神は、孫のニニギノミコトに稲穂を授けて、その稲を日本民族の命の糧(主食)として、稲穂が豊かに実る国づくりをするよう命じたという。

このため、日本人にとって、米や稲作は特別な存在であり続けてきた。神宮においても、その年の新穀を神様に捧げ、米の実りに感謝する神嘗祭(かんなめさい)は一年で最も重要なお祭りとなっている。神宮では、神様にお供えする食物は全て専用の農園や田、浜で自給自足によって賄われており、「神宮神田」と呼ばれる約3ヘクタールの水田では、複数の品種の稲を育てている。これは、神さまの食事となる米を安定的に供給する知恵だという。

 

 

 稲穂

◎ツアーでは、神宮司庁(伊勢神宮に関する事務・祭務をつかさどる機関)の職員の案内で、内宮を視察する。また、神さまに備えるお米を専用に栽培する神宮神田を訪れ、神宮や伊勢の人々、ひいては日本人とお米の関係や、米作りとともにある神宮の祭りについて話をきく。

 

  

 

 

3.伊勢神宮奉仕会青年部メンバーへのインタビュー(夕食懇談)

~神宮の伝統を受け継ぐ、誇り高き神領民たち~

 

伊勢は古くから伊勢神宮の神領地と定められ、市民は神領民として、神宮への「奉仕」を行ってきた。市民は「神宮に奉仕する」ことを誇りにしており、式年遷宮をはじめ、伊勢神宮に関係する祭事には、多くの伊勢市民がかかわる。代表的なものは、式年遷宮の際に、社殿の建て替えに使われる木を神宮に運び込む「御木曳(おきひき)」、新しく建設された神宮の正殿の敷地に白い石を敷き詰める「御白石持(おしらいしもち)」。これらの行事は式年遷宮に合せて20年に1度しか行われないことから、技術の伝承のため、毎年秋には、その年に収穫された稲穂を「お木曳車」に乗せて運び、神宮に奉納する「初穂曳き」が行われている。

 

 ◎ツアーでは、神宮の祭事にかかわる神領民たちからなる伊勢神宮奉仕会青年部のメンバーと夕食懇談を行い、彼らが関わる祭事や、技術を伝承するための日々の取組み、神宮や伊勢に対する思いなどにつき話をきく。

 

 

4.二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)・大しめ縄張り替え 

~禊の地で行われる一切の不浄を祓う神事~

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古くから伊勢神宮へ参拝する前に身を清める禊の場であった二見浦。天照大御神を伊勢の地に祀ったと言い伝えられる皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が、この地を訪れた際、その風景があまりに美しかったため、二度振り返って見たことから「二見」と呼ばれるようになったという。神秘的な姿で佇む夫婦岩(めおといわ)は、鳥居(神域と人間が住む俗界を区画する門)の役目をしており、男岩と女岩にかかる大しめ縄を張り替える神事が年に3回行われる。大しめ縄は5本あり、一本は長さ35メートル、太さ10センチ、重さ40キロ。神事では、多くの見物客が見守り、威勢のよい木遣り唄が流れる中、「氏子」と呼ばれる地元の人たちが岩に登り、大しめ縄を巻き付ける。  

 

 

 

 

◎ツアーでは、9月5日に行われる大しめ縄張替え神事を取材する。神職の方より二見興玉神社・夫婦岩・祭事の概要について説明を聞いた後、「綱送り」や「張替え」など、神事の様子を見学・撮影する。また、神事に参加する「氏子」と呼ばれる地元の人々にインタビューを行う。

 

 

 

 

.おはらい町・おかげ横丁/株式会社赤福

~日本人の「おもてなし」精神のルーツここにあり!

老舗企業のリーダーシップにより復活を遂げたまち~

 

赤福2内宮の前に位置し、飲食店や土産物店が立ち並ぶ「おはらい町」は、江戸時代には、年間200万~400万人もの参拝客が訪れた庶民の憧れの町であった。伊勢では、全国から来る神宮への参宮客を、心からおもてなしすることが美徳とされ、「見返りを求めない無償のサービス(施業・せぎょう)を行えば、自分たちも幸せになる」との考えの下、伊勢の人々は彼らを温かくもてなしてきた。

 

しかし、1970年代後半になる頃には、おはらい町への訪問者数は20万人にまで減少。こうした状況を打開しようと有志店舗などが立ち上がり、「内宮門前町再開発委員会」が発足、老舗和菓子店・赤福をはじめとする地元企業や、住民主導による本格的な街並み整備がすすめられていった。さらに、赤福は、自社の年間売上高に匹敵する約140億円を投じて、おはらい町の一角に「おかげ横丁」を開業。江戸末期~明治初年の風情をテーマに、伊勢の代表的な建築物を移築・再現し、その運営会社として有限会社伊勢福を設立した。こうした街づくりの結果、おかげ横丁への訪問者数は、2010年には400万人を突破、かつての賑わいを取り戻している。

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(写真:景観に配慮されたおはらい町の銀行と、日本人にはお馴染みの伊勢の名物・赤福もち)

 

◎ツアーでは、伊勢福の担当者より、おかげ横丁成功までの道のりにつき話を聞いた後、おかげ横丁(おはらい町も一部)を視察する。また、老舗和菓子店・赤福を訪問する。

 

6.伊勢宮忠

~神宮のお膝元ならではの生き続ける伊勢の伝統工芸~

 http://ise-miyachu.jp/

DSC_1178日本の家庭や事務所などに置かれている、神社を模した「神棚(かみだな)」。伊勢の地で創業70年余りになる伊勢宮忠では、伊勢神宮の神殿の建築様式である「唯一神明造 (ゆいつしんめいづくり)」 を忠実に模した神棚を制作している。特に、神宮のお宮にも使われている木曽桧の使った茅葺き屋根の神殿は、日本の中でも伊勢の神棚にしかみることができないものだという。

 

宮忠の長男として生まれ、同社で工場長を務める川西洋介氏は、大学卒業前までは家業を継ぐ気はなく、音楽の道を志していた。しかし、祖父の言葉をきっかけに伊勢に戻り、祭事にも関わるなど、地位とのつながりが深くなるにつれ、「どんどんどんどん伊勢が好きになっていった」という。現在では神職の資格も取得し、祭事でもリーダー的な役割を務めるなど、生粋の伊勢人として、神宮の伝統、宮忠の技術を受け継いでいくことに力を注ぐ。

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◎ツアーでは、宮忠の工場長である川西氏より、同社が製造する神棚の特徴などについて話をきいた後、工場で職人によるものづくりの様子を視察する。

 

  

 

 

 <実施要領>

 

1.日程: 201494-5

 

1日目

07:50           東京駅集合

08:10-09:51     東京―名古屋(のぞみ15号)

10:10-11:34      名古屋―宇治山田(近鉄特急)

11:50-12:20     昼食@大喜

12:20-13:30     有識者によるブリーフィング

13:45-15:50     外宮(せんぐう館、御神楽、正宮)

16:10-16:50     神宮神田

17:00-18:45     内宮

19:00-21:00     伊勢市奉仕会青年部(神領民)との夕食懇談会

21:30   ホテルリゾートイン二見着

 

2日目

9:15                     ホテル発

9:30-12:00          二見興玉神社(大しめ縄張替え神事)

12:30-13:15        昼食

13:15-14:15        おはらい町/おかげ横丁                                                                

14:15-15:00        株式会社赤福

15:30-16:45        伊勢宮忠  

17:14-18:37        宇治山田発―近鉄名古屋(近鉄特急)

18:53-20:33        名古屋―東京(のぞみ44号)

(※上記は仮日程です。若干の変更が生じる可能性があります。)

 

2.参加資格:  外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用:  113,000円(全行程交通費、昼食代を含む)

*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数:  10名(各社ペン1名、カメラ1名、TV12名まで)。

*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当:石川、伊藤(TEL: 03-3501-3405

 

6.備考:

(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。        

(2)FPCJおよび伊勢市はツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

 

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